「A.B.Sea Market」発売おめでとう

 「特別な君へ」がすごく好きだ。何でこんなに優しいんだろう? この曲の歌詞すべて、いつもこちらが彼らに対して感じる気持ちなのに、それを他でもない彼らが歌い、伝えてくれることが、本当に嬉しい。聴いているといつも泣いてしまうのだけれど、メソメソしているところに『君が泣きたい時は~』と歌われて、さらに泣いてしまう。そんなことをずっと繰り返してる。ああ、本当に好きだな。

 自分が、こんな真っ直ぐな歌詞を、真っ直ぐにそのまま受け止められることにも驚いた。『ずっと』とか『一番』とか『一緒に』とか……。以前の自分はそんなフレーズを並べられても一歩引いて疑ってしまったし、安っぽいな、なんて思っていた。けれど彼らに出会って、自分の心はいつの間にか、彼らに対して隔たりを無くしていた。それほどまでに、A.B.C-Zのことが好きになっていたんだ、と気付かされた。不思議なくらいストンと、彼らの言葉なら信じられてしまう。言葉の一つひとつが心に染み込んで、ありがとう、と素直に思える。だから、「特別な君へ」という飾り気のない真っ直ぐな曲が、本当に嬉しくて、好きなのだと思う。

 

 もう一つ、この曲は“いつか”のこともちゃんと歌っているのが、切ないけれど、嬉しかった。何事にも永遠はなくて、必ず終わりはあって、必ず別れがある。ファンがファンを辞めるときって、実はすごく簡単で、ほんのちっぽけなきっかけだったりする。今までバンドだったり声優だったり他のアイドルだったり、色んなオタクをしてきたので、よく分かっている。今のわたしはこれほどまでに彼らが好きだけれど、昔好きだった色んな人たちと同じように、いつか離れる日がくるんじゃないかと思ってしまう。そう思うと怖くなる。永遠に彼らを好きでいることはないであろうことが怖いのだ。

 けれどそんな気持ちも「特別な君へ」の歌詞で救われたような気がした。

いつかは はなればなれになっても

一緒に過ごした日々は消えない

 

いつかは はなればなれになっても

目を閉じれば 君の笑顔溢れてる

 きっと、今こんなにも好きでいる気持ちがあったという記憶は、ずっとわたしの支えになってくれるだろうなあ。彼らとの出会いは、好きだった日々は、いつか『はなればなれ』になったその時も、わたしの心に残り続けるんだろうなあ、と。だったら大丈夫だと思えた。それなら寂しくないなとほっとした。こんなことを思いながら聴いてると、やっぱりまたメソメソ泣いてしまうこともあるけれど、でも、だからこそ今は寂しくなったりしないで、しっかり彼らのことを好きな気持ちを大切にしよう、と前向きになれたりもした。

 

 そして、最後に橋本くんが歌い上げる『ずっと ずっと』が大好きなのだ。初披露の少クラが夕日の色だったからかな。この橋本くんの歌声が、頭上に広がる夕焼けの空に天高く昇っていくような。ずっとという祈りを空に放つような。そんな感覚がする。橋本くんの声は綺麗で、力強いのに繊細で、優しくて、誠実だ。だからなおさら、この言葉を信じられる。

 

 他の曲のことも、特典映像のことも、感想は沢山書きたいけれど、まずは感じた気持ちをそのまま、残しておく。初めて聴いたときにポロポロと涙が零れた、この気持ちを残しておきたかった。でも最後にこれだけは。A.B.C-Z「A.B.Sea Market」発売おめでとう!デイリー1位、おめでとう!